転職の入社日を急かされるのは企業側が採用コストを下げたいから

 

転職の内定をもらえるのはうれしいけど、急がされるのはイヤですよね。

 

 

本記事では、転職の入社日を急かされるのは、企業側が採用コストを下げたい背景について解説します。転職活動をしていて、急がされることが不安な人は参考にしてみてください。

【本記事の執筆者】

優介（@yuusuke11127)

転職の入社日を急かされるのは企業側が採用コストを下げたいから

転職の入社日を急かされるのは、企業側が採用コストを下げたいからというケースが多いようです。

転職活動において、入社日を急かされるケースは珍しくありません。企業側としては、採用した人材が他の企業に転職してしまうのを避けたい思惑もあります。

実際、一度採用した応募者が他の企業に転職されると新しい人材を雇用するのに新たな広告費や時間などがかかります。このような理由から転職の入社を急がすケースは多いようです。

とはいえ、入社日を急かされたからといって、安易に入社日を承諾する必要はありません。転職は今後の人生も左右する大切なイベントになるので、あなたにとって最適な選択を取りましょう。

転職先の企業と入社日について揉める原因を作らないようにするべき3つの対策

転職先の企業と入社日について揉める原因を作らないようにするために必要な対策は、以下の3つです。

面接時もしくは内定前の段階で入社できる時期を伝えておく

転職先の企業と入社日について揉める原因を作らないように、入社日は面接時もしくは内定前の段階で伝えておくようにしましょう。

早めに伝えておくことで、余計なトラブルを防げます。もし、面接のときに「いつから働けるか」をはっきりさせておけば、後でトラブルにつながりにくくなります。

有給消化で入社日を延ばしたいと言わない

転職活動では面接や内定の段階で「有給を消化したいから入社日を遅らせたい」と直接言うのは避けるのが無難です。

企業側としては、早く自社に入社して欲しいと考えています。また、早く入社してもらった方が企業側も仕事の割り振りがしやすいため助かります。

そのため「有休消化をすべてしたい」と伝えてしまうと、採用担当者の心象はよくありません。

どうしても有給消化したい場合は「引き継ぎの兼ね合いで〇〇日程かかります」と有休消化以外の理由を伝えるのがおすすめです。

転職エージェントに入社交渉してもらう

転職先の企業と入社日について調整するのがめんどくさかったら、転職エージェントに交渉してもらうのもひとつの方法です。

転職エージェントは普段から企業とのやり取りをしており、あなたの入社日についても転職先とうまく調整してくれます。

そのため、入社日の調整がめんどくさいときは、はじめからリクルートエージェントのような転職エージェントを利用してみるとよいでしょう。

転職の入社時期は内定から1〜2ヶ月は待ってもらえる

内定から実際に入社するまでには、通常1〜2ヶ月の期間は企業側に入社を待ってもらえます。転職先の企業からすればできる限り早く入社してほしいと考えています。

しかし、採用担当者も引き継ぎ期間に関しては考慮してくれるので特別心配する必要はありません。

逆に在職中に「すぐに入社できます」と伝える方が「この応募者は引き継ぎもせずにすぐ辞めるのか......」と不安要素を残してしまうでしょう。

そのため、入社時期に関しては、1〜2ヶ月を目安に考えてみてください。3ヶ月程までなら、転職先も問題なく待ってくれます。

入社日の交渉をして内定取り消しにはならない

入社日の交渉をしたからと言って、いきなり内定の取り消しにはなりません。一度、内定をだした場合、企業側が内定を取り消すと不当解雇と同じで罰せられます。

内定は、具体的事情によっては、内定通知により「始期付解雇権留保付の労働契約」が成立すると認められる場合があり、その取消しは、従業員の解雇と同様に扱われる場合があります。

引用：内定取消し｜東京弁護士会

そのため、入社日については気にせず交渉してみてください。ただし、内定取り消しが認められるケースもあるので次章より紹介しますね。

内定取り消しが認められる3つのケース

内定取り消しが認められる3つのケースは、以下のとおりです。

詳しく解説します。

経歴について虚偽の申告をしていた

経歴に虚偽の申告をしていた場合、企業は内定を取り消しが法的に認められています。

内定取消が認められる事由の例として、採用までに学校を卒業できなかった場合や健康を著しく害した場合、また重要な経歴の詐称等重大な虚偽申告の判明等が考えられるが、個別の事案ごとに解約権濫用の有無が判断されることになる。

引用：内定（採用内定）｜大阪府

上記の内容から経歴詐称があった場合は、内定の取り消しが認められるようになります。転職活動していると、内定をもらうために経歴を盛ってしまいたくなるかもしれません。

しかし、経歴について虚偽の申告をしていた場合、内定取り消しが認められる可能性があるので注意が必要です。経歴については、虚偽をせずに転職活動に臨みましょう。

通常勤務ができない病気やケガを負った

もし転職者が重い病気やケガで通常の勤務が不可能になった場合、企業は内定を取消す可能性があります。

たとえば、ひどい鬱病や長期間入院しないといけないガンになった場合は、いつ復帰できるのかわかりません。企業としては、効率よく業務に従事して欲しいので、仕方ない部分があります。

とはいえ、病気になっただけで内定を一方的に消されはしないので、その点は安心してください。

もし、働けないくらいの病気やケガを負ったときは、障害年金や生活保護費の需給もできるので、いざというときは近くの社会福祉協議会に相談してみるとよいでしょう。

犯罪や不適切な言動が発覚した

内定を受けた人が犯罪に関与していたり、不適切な行動が明らかになったりした場合、企業は内定を取り消すケースがあります。

企業は職場を安全に社員が気持ちよく働ける場所にしたいはずです。しかし、目の前で犯罪に関わったり、人を傷つけたりする人が在籍していれば士気が下がる可能性もあります。

このように犯罪や不適切な言動が発覚した場合は、内定が取り消しになるケースがあるのは認識しておきましょう。

転職先の入社日に関する交渉は離職中であれば1ヶ月程度が目安になる

離職中の場合、転職先と入社日の交渉は1ヶ月程が一般的な目安となります。企業側も早く入社してもらいたいと考えると同時に受け入れまでの準備が必要です。

そのため、離職中の場合であれば企業側もあなたも双方にとってちょうどいい期間になるでしょう。

この1ヶ月という時間があれば、あなたも新しい生活に必要な準備ができますし、再就職手当の手続きもおこなえます。

もし離職中に転職を考えているなら、入社日は面接のときに話し合って、少なくとも1ヶ月後にしてもらうようにしましょう。

入社日を1ヶ月以上遅らせたい場合は電話連絡で謝罪する

入社日を1ヶ月以上延ばしたい場合は、直接電話で謝罪するのがベストです。直接電話で話すことで、あなたの真摯（しんし）な態度が伝わりやすく、企業もあなたの事情を理解しやすくなります。

電話は直接的なコミュニケーション手段であり、メールやテキストよりも感情が伝わりやすいため、誠意を示すには最適な方法です。

もし入社日を遅らせる必要がある場合はできるだけ早く、電話で事情を説明してみてください。

転職先への入社日が月の途中場合の初月給料は日割り計算される

もし転職して新しい会社の仕事を月の途中から始める場合、その月の給料は「日割り計算」で支払われます。日割り計算とは、その月の実際に働いた日数だけ給料を計算する方法です。

これは公平性を保つための普通の計算方法で、多くの企業が採用しています。具体例をあげてみると、1ヶ月を30日として15日から働いた場合は月給の半分が支払われます。

詳しくは「転職して1ヶ月目の給料なしは「求人票・労働条件通知書」でわかる」の記事で解説しているので合わせて参考にしてみてください。

転職先への入社日が急かされるについてよくある質問

転職先への入社日が急かされることについて、よくある質問を3つ紹介します。

中途採用で入社した日は何をしますか？

中途採用で入社した日には、一般的に次のような流れになります。

入社手続きでは企業側から指示された書類や身分証明書などを提出します。また、制服や備品の貸与もおこなわれます。

事務手続きが終わると企業の理念や就業規則、給与規定などについて資料の読み合わせをするのが一般的です。研修は入社前に時間を取るケースもあり、初出勤日におこなうとは限りません。

入社前に研修を受けていない場合は、当日にオリエンテーションや部署案内がされるケースもあるでしょう。

企業によっては、入社一日目から実務を開始するケースもあります。出社初日までに就業規則を読んでおき、転職先の職場の基本ルールを覚えておくのが大切です。

転職して何ヶ月後に入社するのが一般的ですか？

転職活動を始めてから入社するまでの期間は、3〜6ヶ月程度が一般的です。転職活動の期間は、現在の就職状況によって大きく異なります。

内定から入社するまでの一般的な期間は、在職中であれば1〜3ヶ月です。退職交渉や引継ぎなどの手続きがそのくらいかかることが一般的だからです。

また、3ヶ月後は転職先の企業にとっても都合がよい可能性もあります。ただし、双方の入社時期が合わないと、企業側もやむを得ず内定を見送るケースもある点は理解しておきましょう。

最短入社可能日を聞かれたらどう答えますか？

最短入社可能日を聞かれたら、3カ月以内の具体的な日にちを答えるようにしましょう。

たとえば「早ければ〇月〇日に入社できますが、引継ぎなどを考慮し〇月〇日だと助かります」というように答えてみてください。

入社の時期は応募者の都合にもよりますが、在職中であれば内定後1カ月半〜2カ月後くらいが理想です。

まとめ：転職先への入社日が急かされるのがめんどくさい場合は転職のプロに任せよう

転職先への入社日が急かされるのがめんどくさい場合は、転職のプロに任せるのもひとつの方法です。

転職エージェントは日頃から求職者の相談に乗ったり、会社側の要望も汲み取ったりしていたり、転職事情に強いですからね。本記事を参考にしてみて、内定を承諾するか辞退するか検討してみてください。